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2005.07.05

靖国問題

 今日、宗教学6「戦争・正義・平和―宗教多元社会の中で」の最後の授業を行いました。来週は香港にいるので、来週は休講にしています。
 この授業は「神学部オープンコース」の科目にもなっていますので、インターネット経由で、様々な方々に見ていただいています。わたしは、こういうことを推進しておきながら、実は、ディスプレイと90分向き合って講義や講演を視聴するという経験を一度もしたことがありません。ですから、毎回、きちんと見てくださっている方々からのメールをいただくと、動画配信をやっていてよかったと思うと同時に、その集中力に感心させられます。

 今日は日本の近代史、特にナショナリズムや大東亜共栄圏イデオロギー、聖戦、国家神道などについて触れました。しかし、最終回ということもあって時間の余裕がなかったため、「とにかく、これを読んでください」とお薦めしたのが、高橋哲哉『靖国問題』(筑摩新書)です。
 この本は、非常によく売れていると聞きますが、それが納得できるだけの内容があります。まず何と言っても、わかりやすい。第一次資料を丁寧に参照しながら、それを分かりやすく分析し、同時に、全体的な歴史的文脈の中に性格にその分析をマッピングしていきます。

 伝統的な神道が、どのようにして国家神道へと作り替えられていったのか。また、靖国の歴史を振り返ると、靖国と関係している戦争が決して太平洋戦争だけではないこと、日本の戦争責任を太平洋戦争だけに限定することは、問題を矮小化することになりかねないことを教えてくれます。キリスト教や仏教などが、国家神道に巻き込まれ、ナショナリズムに積極的に奉仕していった有様も描写されています。

 叙述内容については異論を唱えたくなる人もいることでしょう。しかし、その是非はともかくとして、靖国問題の論点を明晰に整理している点で、非常にすぐれた本であると、わたしは思います。

■Amazon, 高橋哲哉『靖国問題』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480062327

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コメント

ご無沙汰しています。相変わらずお元気そうでなによりです。

興味深いニュースは一杯あるんですけど、あまりに多すぎて整理する暇がなくて…

先週、スペインとカナダで立て続けに同性婚が合法化されました。
リベラルなカナダはともかく、保守的と考えられているスペインで成立したのは驚きです(しかも、世論も賛成が多い)。

政教分離といえば、昨日から日経新聞朝刊で「宗教の新版図」の新シリーズが始まりました。ご存知のとおり、米連邦最高裁の女性判事で「中道派の女王(Queen of the Center)」ことサンドラ・ディ・オコナーさんが引退を表明されました。中絶やアファーマティブアクションなど重要な判例が5対4で決まっている現在、彼女の後継者がどういう態度をとるかは、米国の将来に大きな影響を与えます。しかも大統領でさえ最高8年なのに、連邦最高裁判事は終身ですから、10年、20年という単位です。オコナーさん自体20年以上この職にあったわけですから。その意味で、後継判事の指名は、この夏最大の注目です。

投稿 Yoko | 2005.07.05 06:37

前から話題にはなってましたが、United Church of Christが同性婚を承認したそうです。

United Church of Christ backs same-sex marriage
By JOHN BLAKE
The Atlanta Journal-Constitution
Published on: 07/05/05
http://www.ajc.com/news/content/metro/atlanta/0705/05gaymarriage.html

ところで、日本基督教団って英語で"United Church of Christ"と言うんですね。へぇ。

http://www.kohara.ac/church/kyodan/

投稿 Yoko | 2005.07.05 17:49

in Japanが抜けてました…

投稿 Yoko | 2005.07.05 17:51

Yokoさん
 お久しぶりです。早速に最近の動向をお知らせいただき、ありがとうございました。
 スペインは、カトリックの猛烈な反対があるものの、一般市民は同性婚に対し、おおむね賛成のようですね。カトリック帝国の一角が変革への一歩を踏み出し、それが他の世界にどう影響していくのか、今後も目が離せません。

投稿 小原克博 | 2005.07.05 23:51

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